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抗うつ剤の功罪:うつ病について考える004

当ブログの「うつ病について考える」では、うつ病(大うつ病や気分変調性障害)に的を絞って書いていきます。

今回も、またまた相当長いです。

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上の記事は、つい先日の朝日新聞の記事です。

抗うつ剤を簡単に出してしまうお医者さんが多いことを、日本うつ病学会もわかっているということが、この記事からうかがえます。

そして、よく「新型うつ病」と言われるものに関しては、抗うつ剤を処方するのはやめるべきとまで言っているようです。

病院では、主に患者さんの訴えを「DSM-検弊鎖西祿欧凌巴任氾計の手引き:第4版)」というガイドラインに照らし合せて、うつ病かどうかの診断を下しています。

ですが、新型うつ病と言われる症状の方は、あきらかにその基準から外れてしまっているということなんです。

しかし、そんな方にも抗うつ剤や、あるいは抗不安剤を安易に出してしまうお医者さんがたくさんいる、ということらしいです。

大うつ病の場合、もう本当に何もする気が無くなって、実際に身体を動かすのも億劫(おっくう)になってしまうはずなんですが、新型うつ病の方の場合は、特定の仕事や場面などで抑うつ症状が起こるけれども、それ以外の時には普通に生活も趣味もこなせてしまうので、それがDSM-犬隆霆爐箸楼磴Δ任靴腓Α△箸いΔ海箸覆鵑任垢諭

DSM-犬箸いΥ霆爐、ICD-10という基準か、何しろ国際的な基準があって、お医者さんはその基準を患者さんに出ている症状と照らし合わせて診断を確定することになっています。

その基準からすると、「新型うつ病」と言われているものは病気ではない、と日本うつ病学会が発表したということです。

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以上は新型うつ病の例ですが、一般的なうつ病の治療では、患者さんに出ているうつ病の症状に合わせて、どんどん薬を出してしまっているお医者さんがたくさんいるのが現状です。

中には精神科の勉強をしたことが無いお医者さんが、机と椅子だけで開業できる精神科を始めて、それで症状に合わせて、どんどん薬を出してしまっているというケースもあるそうです。

お医者さんには○○科というのを自由に決められる権限があるので、そんなことが起こってしまっています。

ちゃんと勉強してないから、症状に合わせてあの薬もこの薬もとどんどん出してしまい、患者さんは薬漬けになって、そこから抜け出すことができなくなってしまっている患者さんがすごく増えてしまっています。

気分が高揚する薬と、気分が落ち着く薬を一緒に出すなど、明らかにおかしいという場合も多々見られるということです。

そのような先生の出した薬を、大学の精神科の正しい抗うつ剤治療ができる先生に見せたところ、「この症状にこんな薬の出し方や量はおかしい」と言われて、見直してもらった薬に切り替えてみたら、薬の副作用が落ち着いた、というレポートを、ちょっと前のニュース番組で見たことがあります。

また、抗うつ剤や抗不安薬は飲んでいるうちに耐性ができてしまい、耐性とはつまり、少ない量では効かなくなってしまうことで、どんどん薬の量が増えていくことになってしまいます。
お酒を飲んでいるうちに、どんどん強くなっていくのと同じです。

薬での治療なんで、うつ病の症状が出ている間はずっと薬を飲み続けることになり、文字通り薬漬けになってしまいます。

抗うつ剤は副作用がきつい場合が多々あるので、薬による治療を止めたいと思って飲むのを止めると、今度はとても苦しい禁断症状(離脱症状と言います)が出てしまい、止めるに止められなくなってしまうというおまけつきです。お酒と同じです。

少しずつ減らせば離脱症状は出ないということになっていますが、そんなのは人それぞれで、少しでも減らしたら、身体のいたるところにコリや身の置き所がないほどゾワゾワ感が出たり、あるいはまったく寝ることができなくなったりなどの症状が起こります。

(この抗うつ剤(睡眠薬)を止めることでまったく眠れなくなる症状を、「反跳(はんちょう)性不眠」と言います。今まで薬で眠りについていたためか、薬がないといつまでたっても眠ることができなくなってしまう症状です。これがまた相当に苦しい症状です)

うつの症状も治らなければ、薬も止められなくなり、薬の影響で細かい作業や頭を使う作業もできなくなってしまいます。

やはりどう考えてもおかしい。

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今日放送されていたフジテレビのスーパーニュースで、「“うつ病治療"の影 危険な過剰投与・摂取やめられない“泥沼”」というタイトルの特集をやっていました。

北里大学病院の救急救命センターに、大量の抗うつ剤を飲んで自殺を図った方が運び込まれてくるシーンから始まりました。

最近、たくさん抗うつ剤や抗不安剤や睡眠薬などを処方されているうつ病の方が、数多く運ばれてくるようになったというんです。

また、患者さんを次から次へと診なくてはいけないことなどが原因で、お医者さん自身が「薬物“治療”依存」になってしまっている、と話している精神科医の先生も出ていました。

同じ先生の言葉だったかは忘れましたが、「うつ病は本来話を聞くのが主な治療で、薬は補助的に出すものだ」ということも言われていました。

夕方のニュース番組で、ここまではっきり警鐘が鳴らされるほど、うつ病治療の現状がままならない状態になっています。

読売新聞のホームページの「ヨミドクター」の「佐藤記者の「精神医療ルネサンス」」では、スーパーニュースよりもっと激しくこの問題に切り込んでいますね。よかったら検索して読んでみてください。

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 ○抗うつ剤治療も、確かに役に立ってはいますが、、、 


そんな抗うつ剤ですが、うつ病が世間に認識され始めて、うつ病の法的な救済制度ができたのは、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)のような、新しい世代の抗うつ剤が出てきたからではないかと、なんうん堂は考えています。

それまでの抗うつ剤に比べて副作用が少なくなって、より軽度のうつ病にも適応なので、お医者さんも薬が出しやすくなったんですね。

うつ病になってしまった方を一時的に助ける、現在唯一の方法でもあります。


うつ病になった方の多くは、ご自分の抱える状況に追い詰められて、ぎりぎり観念するところまで行ってから病院にかかる方が多いようです。

しかも病院で初めて自分が「うつ」であることを知る方も多いようです。

わけもわからず動くのが億劫(おっくう)でつらくなり、やっとうつ病だと原因がわかるだけでも、患者さんにとってはひとまず安心はできます。

ぎりぎりのところにいる患者さんを目の前にして、お医者さんはすぐに診断書を書いて、会社に対して患者さんの不利益にならないような、合法的な方法で休みが取れるようにしてくれます。

そして抗うつ剤を処方してくれて、ストレスでガチガチになった身体を、とりあえず休ませる機会を提供してくれます。

それで治る割合がもっと上がれば問題も少ないんですがねえ。

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抗うつ剤によるうつ病の治療は、早くて半年というのが相場です。

「治った」という場合について調べてみても、多くの場合は抗うつ剤を飲み続けながら日常生活を続けることができるようになったというだけで、根本的には治っておらず、お薬でコントロールできているよ、ということだったりします。

抗うつ剤ってある意味「睡眠薬」ですから、飲んでポワンとして、つらさに鈍感になるんではないでしょうか。
(抗うつ剤は、仮説に基づいた治療の薬ですが、なんうん堂は経験からそういう仮説を立てています。)

現在の医学ではうつ病の原因はまだわかっておらず、脳内の機能が原因であるという仮説をもとにした薬で治療ということになっているわけで、そして治るのに半年以上で、しかも薬を飲みながらうつ病をコントロールって、そんな仮説は一部の人にはあてはまっているかもしれませんが、ほとんどの人にはあまりあてはまってないですよ間違いなく。

それに再発もかなり多いですし。
人の身体なんて常に変化していますから、薬は変化に合わせて微調整をしないとすぐに合わなくなってしまいますよ。
メガネで視力を調節するのと同じで、メガネだって時間がたてば合わなくなってきます。

そして残念ながら、限られた期間内に仕事に復帰できるぐらいうつ病をコントロールできなかった患者さんは、仕方なく退職や廃業、学生さんなら退学することになってしまい、また、抗うつ剤を断つこともできなくなってしまったりもします。

抗うつ剤が、害ばかり多くて役に立ってないと言いたいわけではありません。

抗うつ剤中心の治療だけでうつ病を何とかしようというのは、やはり限界があると言いたいんです。

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先ほどの先生の「薬は治療の補助」で、抗うつ剤は主役では無いのだと思います。

それに、ガチガチになった首や肩、そして薬じゃ取れない胃腸の痛みや違和感を持った身体をまったく治療しないで、それで脳の神経の伝達物質の量を変える薬を飲んだだけでは、そりゃ治りっこないです。ポワンとした気分になって、苦しみをまぎらわせるだけです。

身体の治療もしましょうよ!というのが、このブログで言いたい事の一つです。

ストレスっていうと、たとえば胃腸に強く出れば、胃炎や腸炎が出るし、筋肉に出れば肩や首がこるし、いろいろなところがくたびれるのが普通です。

うつ病の判断基準通りのうつ病の患者さんの多くは、「まじめな性格」「几帳面な性格」で、働きすぎや身体を酷使し過ぎでストレスがちょっと休んだくらいでは回復しなくなった状態です。メランコリー親和型の性格というのでしょう。

病院での薬での治療では回復しなくなってしまった身体の疲れやこわばりのために「うつ病」にされてしまっている方が、どれほど多いことか。

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今回は、なんうん堂が把握しているうつ病治療の現状(と個人的な愚痴)でした。

タイトルの「抗うつ剤の功罪」というテーマからは、ずいぶんそれてしまったかもしれませんねえ、、、

ともあれ、まだまだこのテーマを続けます。

at 22:00, なんうん堂, うつ病について考える

comments(2), -, - -

comment
うつの戦士, 2014/07/05 2:41 AM

う〜ん、抗うつ薬は、セロトニンやノルアドレナリンを調整する薬であって、脳だけで働くのではないんですよ。セロトニンは全身で作用します。
私は過労から来る体の鬱病でかなり苦しみましたが抗うつ薬で治りましたよ。
2年位かかりましたが…
セロトニン不足の離脱症状か、胃腸が動かず、悩みはそれ位です。やはり脳なんですよ。
現代医学はあなどれませんよf^_^;)

なんうん堂, 2014/07/05 12:21 PM

うつの戦士様
コメントありがとうございます。

ブログに手がつけられなくて、いつのまにやら朝日新聞の引用の記事も削除されてしまってました。
(ですが、このままにしておこうかと思います、、、)


「離脱症状」と書かれていらっしゃるので、断薬もなさっていらっしゃるのですね。

うつの戦士、というハンドルネームから察するに、うつ病を持ちながら、それを乗り越えて毎日の生活やお仕事をこなされていらっしゃるのでしょうか。


過労から来る身体のうつ病、、、とのことですが、脳は関係ないので、お身体を治療するのも良かったのではなかったのではないでしょうか。

当院でしたら、2年もかかりませんし、胃腸も良くなりますし、副作用もありません。

治療実績もありますので、よろしければお問い合わせください。

徹底的に身体と胃の症状を良くすると、脳は関係無いことがご実感できると存じます。

なんうん堂では、そのように施術いたします。

単純に鍼灸だけの治療ではありません。

また、鍼も灸も、痛くはありません。

よしなにどうぞ。


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ここからは、うつの戦士様に向けてというよりも、
うつ病で苦しんでいる方にも向けて、書かせていただきます

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治療家であるなんうん堂が、このテーマをブログで書いているのは、患者さんのうつ病を治してきた経験があるからなんです。


西洋医学の視点では、うつ病は病気とは言えないと言っていいと思います。

他の病気のように、客観的にこの部分が炎症を起こしている、というようなものが、観察できないからです。

ですので、医師がうつ病の確定診断をする場合は、患者様からの問診だけでやります。


客観的な観察ができないので、たとえば西洋医学には「冷え性」という病気はありません。

ですので、対応する医師は、患者様の訴えを通して、東洋医学(漢方薬)の治療するしかありません。

西洋医学的には症状が無い、つまり、苦しくて病院に行っても、「どこも悪くないです」と言われるような事がよくありますが、それが、西洋医学の弱い点です。


東洋医学は、そういう西洋医学的に病気では無い身体の不調を治してきた、長い歴史があります。

また、東洋医学は「未病を治す」とゆう言葉があります。

西洋医学的には病気ではない病気の前段階で病気のきざしを診てとり、病気として発病する前に治してしまうような技術があります。

鍼灸の治療の場合であれば、身体の中からの悲鳴である、いわゆる「ツボ」を丹念に探して、症状を良くしてしまいますが、西洋医学では、人によって出現のしかたがバラバラなツボなどは、診断の指標にしません。


西洋医学的には見て取れる症状が無いうつ病も、東洋医学的には症状を探れます。
出ている症状を一つ一つ解消していくと、脳に関係なくやる気が戻ってきます。

もっとも、ツボを刺激することで、脳にも刺激は及んではいるのですが、、、


西洋医学的な、抗うつ剤での治療も否定はしません。が、あまりにも知られていませんが、東洋医学的にしっかり対応できますので、抗うつ剤の治療や、他の療法に限界を感じられた方は、当院にお問い合わせください。