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後鼻漏(こうびろう)について考える 010

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補足:すでに6年前の記事ですが、2016年8月に少し手を入れました。
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後鼻漏の治療法についての考えを書こうかと思っていましたが、鼻の生理的な働きについての小ネタをいくつか説明しておこうと思い、結局治療法はまたそのうちということでやらせていただきます。
(Bスポット療法関連の事を書こうかと思っていますが、その本をある方にお貸ししていまして、それが帰ってくるのが当分先なので、小ネタでごまかそうまいかと、、、)


・「鼻周期(はなしゅうき)」

という機能が鼻にはあります。

英語では「ネーザル・サイクル(Nasal Cycle)」と書きます。

Nasalとは「鼻の」という意味です。

この鼻周期がどういう働きかというと、すごく簡単に書くと、

「鼻がつまる時は左右交互につまる」

という働きなんです。

ここまで簡単に書くとあれなんですが、あれってのは働きの一部しか表現できて無いことなんですが、ムツカシク書くと、

鼻粘膜は一定の周期で自動的に左右交互に肥厚する

ということでいいと思います。

鼻の奥の粘膜は、吸った息を一瞬で温度を上げて、かつ湿(しめ)らせるとは何度も書いていますが、吸った息を温める熱と湿らせる水分は、大量の血液によって運ばれてきます。

大量に血を運ばないと、1日に鼻の穴や副鼻腔だけで6リットルもの鼻水が出てくるわけが無いし、1回に数リットルも吸う息だって温まりません。

大量の血液を運ぶためにはそれだけの血管が必要なわけですが、太い血管ではなく細かい血管がたくさんあります。
海綿状(かいめんじょう)血管と言って、海綿とはスポンジのことですからそれはそれは多く血液が流れていそうです。

海綿というと身体の中で他の部分にも海綿体という名の付く比較的有名なところがありますが、ここも血がたくさんたまって膨(ふく)らみますねえ。

それと同じなわけのようでして、海綿状血管がたくさんある鼻の粘膜も何かあるとすぐに膨らみます。

左右交互に膨らむというのは、これは自律神経(自分の意思とは関係無く勝手に働いてくれる神経)のおかげです。

後鼻漏もよく注意すると、数時間おきに鼻の奥から流れてくるのが左右交互になっていることですよ。


・「後鼻漏はなぜ後ろにだけ流れるのか?」

涙は普通は前から出てきませんが、泣いた時や花粉症などで大量に出てくると鼻水として鼻の穴からもでてきますねえ。

しかし、一般的な後鼻漏は人によってはけっこう大量に流れているはずなんですが、後ろに流れはしても前から出てきたという例はほとんど無いのではないでしょうか?
もっとも前から出てきたら前鼻漏なんでしょうが、何しろ後鼻漏の特徴あるねばり気の強い鼻水は、なぜか後ろばかりに流れてきます。

それってどうしてかなあと考えるに、これは鼻の奥の構造が原因らしいなあということ行き着きました。

鼻の穴(正しくは「鼻腔(びくう)」と言います)はヒダによって上中下3段の道に分かれています。
それらの道はそのまんま、「上鼻道(じょうびどう)・中鼻道(ちゅうびどう)・下鼻道(かびどう)」と言います。

三つに分かれているとは言っても鼻の中央側で全部つながっているんですが、何しろヒダ(鼻甲介・びこうかい)によって仕切られているんです。

この三つの鼻の道には、鼻の穴からノドの奥に行く間に「目からきた涙が出てくる穴」や「副鼻腔とつながる穴」があるんです

で、まずは涙と涙が出てくる穴についての説明をします。

涙は目を潤(うるお)すために鼻水と同様にずっと出続けていて、感情が高まったときや目や鼻に異物が入ったときなどに、いつも以上に大量に出ますね。
大量に出た時は涙として目からもあふれて出てきますが、普通は下のまぶたにあるちっこい穴から、また顔の中を通るんです。

で、その出口は、先ほど書いた鼻道の中の、一番下の道である「下鼻道」に出てきます。

涙は泣いた時だけに出ているのではなく、止まることなく常に出ています。そうしないと目が乾(かわ)いて都合の悪い事になってしまいます。もちろん鼻の中を湿らす水分の一部にもなっています。

花粉のような身体にとっての異物が目や鼻に入ってきたとき、それをなんとかするために大量の涙が出てきて目や下鼻道を洗い流すんですが、普段流れている涙の量はさほど多くないので、そのまま後ろに流れてノドを通って胃に落ちる仕組みであるようです。

後鼻漏の鼻水も洗い流してくれればいいのになあとつくづく思うんですが、残念ながら、後鼻漏の鼻水が出てくるところは下鼻道ではなく、どうも上鼻道と中鼻道らしいのでダメみたいなんです。

この上・中鼻道には、副鼻腔とつながる穴が開いています。自然孔(しぜんこう)とか交通路(こうつうろ)などと言ったりするようです。

その孔(あな)はなかなか小さくて、鼻の粘膜が簡単にふくれるもんですからすぐにつまってしまうんですよ。

そうすると副鼻腔の中が良くないことになるという悪循環が始まるんです。
中で炎症を起こしやすくなって、つまり慢性の副鼻腔炎になったり、穴が長い事つまれば蓄膿症になるといったところでしょう。

何しろ副鼻腔とつながっている穴があるのが上鼻道と中鼻道なわけでして、後鼻漏のねばり気のある鼻水の原因となる炎症が上鼻道と中鼻道にあるようなので、つまりは後鼻漏は副鼻腔から出てきているのでは?というふうに推察しているんです。

鼻周期で左右交互に後鼻漏を感じるんで、やはり副鼻腔の交通路が左右交互につまっているんではないかと思います。

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鼻周期と副鼻腔の自然孔(交通路)について書きましたが、このことから考えるに、後鼻漏のねばり気のある鼻水の多くは副鼻腔から出てきているんではないかなあ、と推察していることを書きたかったですが、相変わらず図も無く長ったらしくてわかりづらくてスミマセン。

 

at 08:00, なんうん堂, 後鼻漏(こうびろう)について考える

comments(6), -, - -

comment
あつママ, 2011/02/19 10:54 AM

私は2年前から後鼻漏に悩んでいます。
現在5件目の耳鼻科にかかっていますが、先生も困っているような状態です。
確かに鼻づまりは左右交互ですし、後鼻漏も左右交互です。
私の場合は、鼻の中は得に悪い状態ではなく、デジトゲンを見ても、副鼻腔炎ではないとのことです。
先生から体の代謝が悪いのではということで、ツムラの118番を出してもらっていますが効果がありません。
病院へ通ってもよい治療法がないようですが、このような不快な状態が続くと辛いです。
今年になってなんうん堂先生のブログを知り、早く続きを見たくて心待ちにしていました。
なんうん堂先生どうかお力を貸してください。
お願いします。

なんうん堂, 2011/02/19 11:06 PM

あつママさま。
わざわざコメントをありがとうございます。
といいますか、このような駄ブログにまで意見をおたずねになられるほど、そしてドクターショッピングをするほどまでにお困りになっていらっしゃるんですね。

あつママさまが後鼻漏から開放されて、ご家族とご一緒に充実した日々がお過ごしになれるようになるよう、ブログを通して少しでもお役に立てればなあと思います。

ですが、後鼻漏は西洋医学のお医者さんでも完治できない病気でなわけですので、どうぞあまり過度に期待なさらぬようお願いします。

なにしろ後鼻漏のお苦しみ、心中お察し申し上げます。


ところで、個人的な症状やお医者さんの診断につきましては、あつママさまご本人の病態を知りえませんので私には意見することが出来ませんし、また、個人情報なのでこのブログ上でやり取りすることも出来ません。

(まあ後鼻漏の患者さんに、なぜ苓姜朮甘湯なの???、ということはありますが、処方してくだすったお医者様がどこまで東洋医学についてご存知かもわかりませんので何とも言えません、、、)

ですので個人情報を含んだ内容のおたずねでしたら、なんうん堂まで直接メールをいただけたらと存じます。

よしなにどうぞ

-, 2013/05/11 3:20 PM

管理者の承認待ちコメントです。

なんうん堂, 2013/05/11 8:26 PM

上のコメントは、ハンドルネーム「後鼻漏」さんによるコメントでしたが、商品の宣伝になるURLが貼り付けられていたので非公開とさせていただきました。

ハンドルネーム「後鼻漏」さんのご質問は、こちらの記事の「さわ」さまへの返答をご参考になさるとよいと思います。

↓ここをクリックしてください。
http://blog.nanundo.com/?eid=48#comments

土下座マン, 2015/10/01 9:45 AM

こんにちは。
私もごびろうを発症しました。
扁桃炎からの発症です。
下鼻こうかいをレーザーシュジュツしても治らないので1%塩化亜鉛を注射器で頭を斜めにしてから鼻に流し込んでみると物凄く滲みますが調子が良くなりました。
上中鼻こうかいに何かしらの粘膜異常が起きているのは間違いないようです。

なんうん堂, 2015/10/01 9:39 PM

土下座マン様。コメントありがとうございます。少しでも良くなって本当に良かったと存じます。

発症なさってから時間があまりたっていらっしゃらないようでしたら、ますます良かったと存じます。


なんうん堂も塩化亜鉛を入手して、自分の鼻腔で試してみたり、あらゆることを試しました。
塩化亜鉛を入手するのは結構面倒だったりしますが、良く入手されましたねえ。


Bスポット療法は、塩化亜鉛を綿棒につけて、異常粘膜をこするわけですが、この施術をしてくださるクリニックでは、健康保険適用で安くやってくださいます。流すだけでは一部にしか届かないので、Bスポット療法をやっている医師を探すのもいいと思いますよ。

ちなみに、Bスポット療法をやってくださる医師の中には、塩化亜鉛溶液の入った点鼻スプレーを処方してくださる先生もいらっしゃいます。

注射器というのはシリンジのことだと思いますが、点鼻スプレーの容器だけというのも、東急ハンズなどで入手できますので、そういうのも利用してもいいかもしれません。


問題は、Bスポット療法をやってくださっている殊勝な先生が、近くいらっしゃらない場合が多いことと、痛い割りには思ったより治らない場合もあったりすることなどが、いかんともしがたいところです。

発症してから時間があまりたっていなければ、比較的緩解しやすいようなので、土下座マン様の容態が、このままグンと軽くなって、この忌々しい病態から開放されればと、本当に心から思います。

お大事にどうぞ。